内科
Internal medicine
咳、発熱、インフルエンザ、肺炎、糖尿病、高血圧、脂質異常症、貧血、高尿酸血症、痛風、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、不整脈、動脈硬化など内科一般の診察を行います。ここでは代表的な疾患を簡単にご説明します。
“かぜ”と一言で言っても、様々な症状があります。一般的には「様々なウイルスによって起こる症候群で、良性の自然軽快する症候群」と考えれば良いです。咳・鼻水・のどの痛みといった急性副鼻腔炎・急性咽頭炎・急性扁桃炎・急性気管支炎などが多いですが、中には発熱や倦怠感のみのもの、下痢などの消化器症状を有するもの、頭痛が主体のもの、発疹を有するものなどもあり、ただの“かぜ”とは言い切れない場合もあります。“かぜ”ならば薬の内服など必要なく経過する場合が多いですが、その他の病気が紛れ込んでいることもあります。長引く場合は『ただの“かぜ”だから…』と安易に考えず、受診してご相談ください。
参考文献:日本医事新報社 『かぜ診療マニュアル第2版』より抜粋
参考文献:日本高血圧学会『高血圧治療ガイドライン2019』より抜粋
BMIという指標があり、
① 65歳未満:[身長(m)]²×22
② 65歳~:[身長(m)]²×22~25
を目標にすることが必要です。
上記から、
*総エネルギー摂取量(Kcal/日)=標準体重(kg)× エネルギー係数(Kcal/kg)を出します。
*印の計算式で算出したカロリー数から計算したものが一日の総カロリー数となります。
① スルホニル尿素(SU)薬 | 膵臓の細胞に査証しインスリンの分泌を促す作用があります。 低血糖発作を起こしやすいので注意が必要です。 |
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② ビグアナイド薬 | 肝臓からブドウ糖の放出を抑制したり、末梢の組織のインスリンの感受性を上げたりすることにより効果を発揮させる薬剤です。 |
③ αグルコシダーゼ阻害薬 | 腸管での糖の分解を抑制して吸収を遅らせる働きがあります。 食直前に内服するので、食後の高血糖や高インスリン血症を抑えることができます。 副作用として下痢、放屁があるので注意が必要です。 |
④ チアゾリジン薬 | 末梢の組織でのインスリンの感受性を高め、肝臓からの糖の放出を抑制する効果がある薬物です。 |
⑤ 速効型インスリン分泌促進薬 | インスリンの分泌を速やかに促進し、食後の血糖値を抑える薬剤です。 短時間で効果がなくなるため、血糖値が低くなり過ぎるのが少ないです。 |
⑥ DDP-4阻害薬 | 血糖値が上がる際に食後のインスリン分泌を促す作用と血糖値の上昇を下げる『グルカゴン』というホルモンの分泌を抑制する作用で、食後の血糖値上昇を防ぐ薬剤です。 |
⑦ SGLT2阻害薬 | 腎臓の中で糖分が再度吸収されるのを防ぎ、尿の中に糖分を出して外に排泄する事で血糖値を下げる効果のある薬剤です。 |
⑧ GLP-1受容体作動薬 | 注射薬で、⑥と同じ作用で血糖の上昇を下げ、空腹時の血糖値も下げる効果があります。 |
参考文献:南江堂 糖尿病診療ガイドライン2019
範囲 | 点数 | |
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① 年齢 | 35-44 | 30 |
45-54 | 38 | |
55-64 | 45 | |
65-69 | 51 | |
70-74 | 53 | |
② 性別 |
男性 | 0 |
女性 | -7 | |
③ 喫煙 | あり | 5 |
禁煙中 | 0 | |
④ 血圧 | 至適血圧sBP<120 かつdBP<80 |
-7 |
正常血圧sBP<120-129 かつdBP80-84 |
0 | |
正常高値血圧sBP130-139かつ dBP85-89 |
0 | |
Ⅰ度高血圧sBP140-159 かつdBP90-99 |
4 | |
Ⅱ度高血圧sBP≧160 かつdBP≧100 |
6 | |
⑤ HDL-C | <40 | 0 |
40-59 | -5 | |
≧60 | -6 | |
⑥ HDL-C | <100 | 0 |
100-139 | 5 | |
140-159 | 7 | |
160-179 | 10 | |
≧180 | 11 | |
⑦ 糖尿病 | あり | 5 |
⑧ *家族歴 | あり | 5 |
* sBP:収縮期血圧(上の血圧)
* dBP:拡張期血圧(下の血圧)
* 家族歴:早発性冠動脈疾患既往
吹田スコア ①-⑧合計40以下 |
低リスク (2%未満) |
---|---|
吹田スコア ①-⑧合計41-55 |
中リスク (2-9%) |
吹田スコア ①-⑧合計56以上 |
高リスク (9%以上) |
65歳以上75歳未満の高齢者では高LDLコレステロール血症が冠動脈疾患の重要な危険因子であり、スタチンによる薬物療法で冠動脈疾患、ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞脳梗塞の一次予防ができることがわかっています。
① スタチン系薬剤 (HMG-CoA還元酵素阻害薬) |
肝臓でのコレステロールの産生を抑え、LDLの受け皿を増やすことにより血液中のLDLコレステロールを下げる薬です。一番LDLコレステロールを下げる効果が強い薬剤であり主剤となる薬物です。横紋筋融解症(筋肉が壊れる状態)の副作用があるため、注意が必であり、副作用のチェックが必要な薬となります。 薬剤名:メバロチン®、リポバス®、ローコール®、リピトール®、リバロ®、クレストール® |
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② フィブラート系薬剤 | 肝臓での中性脂肪の産生を抑え、胆汁(脂肪の分解酵素)のコレステロールの排泄を増やすことで、肝臓や血液内の中性脂肪やコレステロールを下げる薬剤です。 薬剤名:ベザフィブラート®、リピディル®など |
③ 陰イオン交換樹脂 | コレステロールは胆汁酸に変えられ、腸から再度吸収されます。この薬剤は胆汁と結合する事で再吸収を抑えます。これにより肝臓と血液中のLDLコレステロールが下がります。 薬剤名:コレスチラミン®、コレバイン® |
④ ニコチン酸誘導体 | 中性脂肪の分解を促進させ、中性脂肪を下げます。コレステロールの排泄も促進させる効果があります。ビタミンEとニコチン酸がつながった薬剤です。 薬剤名:ユベラN®など |
⑤ ω‐3脂肪酸製剤 | イワシやサバなどに含まれる成分であり、中性脂肪を抑える薬です。血小板の凝集を抑える効果もあります。 薬剤名:エパデール®、ロトリガ® |
⑥ 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬 | 腸管からのコレステロール吸収を阻害することでLDLコレステロールを下げる薬です。 薬剤名:ゼーチア® |
⑦ PCSK9阻害薬 | LDLコレステロールの肝臓への取り込みをコントロールするPCSK9という酵素の働きを抑えてLDLコレステロールの肝臓への取り込みを促進させ、血液中のLDLコレステロールを下げる薬です。 薬剤名:エボロクマブ®、アリロクマブ® |
⑧ ブロブコール | コレステロールからの胆汁酸合成促進、LDLの分解促進を行い、血液中のLDLコレステロールを下げる薬です。 |
⑨ 選択的PPARαモジュレーター | 新規のフィブラート系薬剤です。PPARα受容体に作用し、リポタンパク質リパーゼを活性化し、トリグリセリドを分解する事で、中性脂肪を下げる薬剤です。 薬剤名:パルモディア® |
参考文献:日本動脈硬化学会『脂質異常症ガイド2018年版』より抜粋
尿酸―ナトリウム(MSU)結晶が関節内に付着することによって起こります。治療法としては非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、コルヒチン、グルココルチコイドがあります。
①NSAIDsとしてはナイキサン®などが主に使用されます。
②コルヒチンに関しては発作時から12時間以内の投与が望ましく、低用量で使用する事が推奨されています。疼痛が改善したら中止するのが良いとされておりますが、副作用や相互作用が多い薬剤であるため、投与には注意が必要です。
③経口グルココルチコイドは短期間の高容量投与が推奨されています。いずれにせよ専門的な見解が必要なので医師に確認しましょう。
参考文献:日本痛風・核酸代謝学会『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』より抜粋
① 内臓脂肪蓄積 | ||
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ウエスト周囲長 | 男性 ≧ 85㎝ 女性 ≧ 90㎝ |
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内臓脂肪面積 | 男女とも ≧ 100㎝² *ウエスト周囲長よりもCTスキャンでの測定が推奨されている |
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② 高トリグリセライド血症 | ≧ 150㎎/dl かつ/または 低HDLコレステロール血症 ≦ 40㎎/dl |
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③ 収縮期血圧 | ≧ 130㎜Hg かつ/または拡張期血圧 ≧ 85㎜Hg |
|
④ 空腹時血糖値 | ≧ 110 ㎎/dl |
上記①かつ②~④のうち2項目以上をメタボリックシンドロームと定義されます。
高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症といった生活習慣病の影響で動脈硬化は進みます。最終的には脳梗塞や心筋梗塞へ発展すると言われております。当院ではABIという検査で評価ができます。この検査では、あお向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を測定します。時間は5分程度で、血圧測定と同じ感覚でできる簡単な検査です。動脈の硬さ、動脈のつまり、血管年齢を測定することが可能です。ご興味のある方はご相談ください。
ベンチステップ運動とは…
台高20cmの場合、右足から乗せて、左足を乗せて、台を上る。その後左足を下ろして右足を下ろして降りる(上がった足から下ろす)。時々左右を入れ替える。
20回/分(速歩:5メッツ)
*メッツとは安静時代謝の何倍に相当するかを示す運動強度単位のこと
参考文献:日本動脈硬化学会『脂質異常症ガイド2018年版』より抜粋
インフルエンザの潜伏期間は平均2日間(1~4日間)と言われています。症状としては38℃~40℃の発熱、強い筋肉痛や関節痛、強い倦怠感などがあり、急激に症状が出るのが特徴です。特徴的な所見としてインフレンザ濾胞というものがあります。のどの奥を見ることで確認できる場合があります。
インフルエンザの検査が陰性であっても流行期であれば60.6%の方がインフルエンザの可能性があります。医師の判断でインフルエンザの可能性が高いと判断した場合には陰性であっても投薬を行う事があります。治療法としてはタミフル®(カプセル)、リレンザ®(吸入5日間)、イナビル®(吸入1日間)、ゾフルーザ®(錠剤)、ラピアクタ®(点滴)があります。
健康な人であれば、その症状が3~7日間続いた後、治癒に向かいます。子供やご高齢の方は気管支炎や肺炎などの合併症を発症しやすく、重症化すると脳炎や心不全になる場合もあります。インフルエンザウイルスには強力な感染力があり、いったん流行すると、年齢や性別を問わず、多くの人に短期間で感染が広がります。二次感染、合併症の予防のために、できるだけ早く受診することが大切です。
①~⑥が二項目以上満たす場合を便秘症と言います。また、6カ月以上から症状があり、最近3カ月間は上記の診断を満たしている場合を慢性便秘症と診断します。
① 酸化マグネシウム®、マグミット® | 以前からある薬で、町内に水分を引き寄せ、便を軟化増大させます。便増大による刺激で間接的に調の運動が活発になり、便通が良くなります。高マグネシウム血症を起こすことがあるため、腎機能障害のるある高齢者では使用しないことが推奨されています。 |
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② グーフィス® | 腸の回腸末端部にある胆のうから出る胆汁という消化酵素を再吸収する部分に働き、胆汁の再吸収を抑制します。これにより大腸管腔内に流入する胆汁酸を増加させ、腸に水分分泌を促し、消化管運動を促進させます。 |
③ アミティーザカプセル® | 小腸にはクロライドチャネルと呼ばれる腸液の分泌に関わる受容体が存在します。このクロライドチャネルを活性化すれば、小腸内の水分分泌が促されるために便を柔らかくします。 |
④ モビコール配合内用剤® | 高分子量化合物のポリエチレングリコールを投与すると浸透圧により腸管内の水分量が増加する。その結果便中の水分量が増加し便が軟化、便容積が増大する事で生理的に大腸の蠕動運動が活発化し排便が促されます。 |
⑤ センナシド®、アローゼン® | この物質は腸内細菌によって分解され、大腸を刺激する物質へと変換されます。これがきっかけとなり、大腸の運動(蠕動運動)が活発になります。その結果、便が肛門側へ押し出されるようになります。 |
代表的な薬剤を挙げましたが、これらの薬剤を症状に応じて組み合わせて使用し、食事療法と共に治療を行います。
止まらない鼻水、鼻づまり、くしゃみの三大症状で有名です。メカニズムとしては、次のような事が起こっています。ほこりやスギ花粉などの抗原(=アレルゲン)が鼻の粘膜に付着すると、その抗原だけに反応するIgE抗体という物質が作られます。このIgE抗体がアレルギーを起こす細胞の表面に結合します。抗原が内部に侵入すると反応が起こり、種々の化学伝達物質が放出されます。 これらの化学伝達物質は血管の拡張をもたらして鼻づまりを起こし、粘膜に分布する神経に作用してくしゃみを引き起こします。この状態が亢進した状態のことをアレルギー性鼻炎といいます。同時に目のかゆみや充血といった眼症状も同様のメカニズムで引き起こされます。これがアレルギー性結膜炎です。通年性ではハウスダスト・ダニ、季節性では花粉が要因となります。
月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
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ハンノキ属 | ||||||||||||
スギ | ||||||||||||
ヒノキ科 | ||||||||||||
イネ科 | ||||||||||||
ブタクサ属 (キク科) |
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ヨモギ属 (キク科) |
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カナムグラ (アサ科) |
① 抗ヒスタミン薬…アレルギー反応に関与するヒスタミンをブロックします。
右記上記図は目安であり、個人差があります。それぞれに特徴があり、症状に応じて個人個人に合った処方を致します。
② 抗ロイコトリエン薬…鼻づまりの原因になるロイコトリエンという物質をブロックします。(オノン®、シングレア®など)
主に右記上記の薬を内服薬として重症度に合わせて組み合わせて使用します。
点鼻薬について
1)ケミカルメディエター遊離抑制剤 2)抗ヒスタミン薬点鼻 3)ステロイド点鼻
主に上記の3種類があります。
1)インタール点鼻薬
安全性が非常に高く、授乳中・妊婦さんにも用いることが可能です。しかし、効果発現は2週間程度要します。
2)リボスチン点鼻薬、ザジテン点鼻薬
②は、ステロイドを含まないという点では優れていますが、内服薬が多く出ているため、使用頻度は減っています。
3)アラミスト点鼻薬、ナゾネックス点鼻薬、エリザス点鼻薬、フルナーゼ点鼻薬
点鼻薬の主流の薬剤となります。最近のステロイド点鼻薬は非常に副作用が少ないのが最大の特徴で、アラミスト点鼻薬®やナゾネックス点鼻薬®は噴霧した部分にのみ作用し、ステロイド成分が血液循環にほとんど入らないため、副作用が少ないという特徴があります。
1~2日間で効果が出現し、2週間程度で効果を発揮します。途中で使用するのを止めないことがポイントとなります。
アレルギー性結膜炎に対しては、ケミカルメディエター遊離抑制薬(インタール点眼液®など)、第2世代抗ヒスタミン薬(ザジテン点眼液®など)、副腎皮質ホルモン(フルメトロン点眼液®など)を使用します。
最近の調査では気管支喘息の患者さんは400万人を超えており、年々増加傾向です。過去に小児喘息の方の場合、成人になって再発するケースは3~4%といわれています。
喘息の発症要因として、たばこ、ダニ、ハウスダスト、花粉、ペットといったアレルゲンに加え、ここ最近では家屋構造の変化によるアレルゲンの増加、排気ガスや工場排煙などによる大気汚染、食品や住宅建材などの化学物質、長時間勤務による過労やストレスが増えたことなどが喘息を発症させる要因と考えられます。
喘息は、症状がないときも慢性的に気道に炎症が起きており、炎症がある気道に刺激が加わると、気道が狭くなり、痰などの分泌物が増えます。この状態が慢性化すると突然の咳き込みや呼吸をするたびにゼイゼイ、ヒューヒューといった音がする喘鳴(ぜんめい)、息苦しくなる、といった症状が起こります。発作は治療によって通常は数分から数時間でおさまりますが、激しい発作が長く続くと危険な状態になる場合もあり、入院が必要なこともあります。